膝の痛みを発する疾患の中には自己治癒が見込めず、放置すると危険な疾患もあります。打撲や外傷など原因が明らかなものだけでなく、そうでないものもあり、医師の診断が必要です。
今回は、膝の痛みでお困りの方に考えられる病気と対処方法をご紹介します。
目次
膝の痛みの原因
膝の痛みの原因は様々
膝の痛みを発する疾患には、外から衝撃が加わったことによるものや、加齢や生活習慣によるもの、オーバーユースによるものなど、様々な原因が考えられます。
安静にしていることで快方に向かう疾患もありますが、中には、生命に関わる病気や、放置しておくと歩くことが難しくなる病気も存在します。
そのため、自己診断ではなく、かかりつけの整形外科の受診を強くお勧めします。
膝の裏が痛い時に疑われる病気
膝の裏に痛みが見られる場合、以下のような病気の可能性があります。
詳しくは膝の裏が痛い時の記事をご覧ください。
変形性膝関節症
変形性膝関節症とは、膝の軟骨がすり減ることで炎症がおき、膝に痛みを感じる病気です。
変形性膝関節症変形性膝関節症は脚の筋力の低下や加齢などの要因によって、膝の軟骨がすり減ることで炎症がおき、膝に痛みを感じる病気です。
初期では歩き始める時に痛みを感じる、正座すると痛い、階段の上り下りが痛いなどの症状が現れます。症状が進行して、末期になると膝の変形が外から見てもわかるようになり、歩くことができなくなってしまいます。
膝の痛みを引き起こす代表的な疾患です。
詳しくは変形性膝関節症とは?の記事もご参照ください。
関節リウマチ
関節リウマチは体内の免疫系が異常を起こし、関節に存在する滑膜にリンパ球などが集まって慢性的な炎症が起こる病気です。
半月板損傷
スポーツなどによる体重が加わった状態で膝を捻ったり、強い衝撃が加わる事で損傷することが多いです。また、半月板は肥満や加齢によって劣化し、傷つきやすくなります。その為、高齢者の方の場合は、スポーツや仕事に限らず、日常生活動作の中でも半月板を損傷してしまうことがあります。
膝の裏に痛みを感じるそのほかの病気
膝の裏に痛みを感じる病気には以下のようなものがあります。詳しくは膝の裏が痛い時に考えられる病気に関する記事をご参照ください。
- 靭帯損傷・捻挫(ねんざ)
- ベーカー嚢腫(のうしゅ)
- 腓腹筋症候群
- 深部静脈血栓症(しんぶじょうみゃくけっせんしょう)(ふくらはぎの場合もあり)
膝の上が痛い時に疑われる病気
膝の上が痛い場合、以下のような病気が疑われます。
- 滑液包炎(膝蓋前滑液包炎)
- 大腿四頭筋腱炎
- 膝蓋大腿関節症
それぞれの疾患については以下の記事で解説していますので、参照ください。
膝の下が痛い時に疑われる病気
膝の下が痛い場合、以下の病気が疑われます。
- 膝蓋腱炎(ジャンパー膝)
- オスグッド・シュラッター病
- シンディングラーセン-ヨハンソン病
これらの疾患についてはこちらの記事をご参照ください。
膝の内側が痛い時に疑われる病気
- 変形性膝関節症
- 半月板損傷
- 鵞足炎(がそくえん)
- 内側側副靭帯損傷
- タナ障害(滑膜ひだ障害)
これらの疾患についてはこちらの記事をご参照ください。
膝の外側が痛い時に疑われる病気
- 腸脛靭帯炎(ランナー膝)
- 外側側副靭帯損傷
- 外側半月板損傷
これらの疾患についてはこちらの記事をご参照ください。
整形外科を受診しましょう
放置すると危険な病気もある
中には、生命に関わる疾患も含まれます。自己診断では危険な場合もあります。
また、骨や軟骨、靱帯の損傷などの問題がある場合は、放っておくことや早期に適切な治療を受けないことで、膝がグラグラするなどの症状が残ってしまう場合もあります。
ぜひかかりつけの整形外科を受診してください。
整形外科の受診時に伝えて欲しいこと
痛みを発するに至ったきっかけに心当たりがある場合は整形外科で伝えるようにしましょう。
受診時には、いつから痛むか・どんな痛みか、特に痛む動作があるかといった情報や、以前に膝などをケガした病歴などを伝えるようにすると、医師の診断にとても役立ちます。
また、お薬手帳を持参しましょう。