膝下の痛みは使いすぎ(オーバーユース)が原因であることが多いと考えられます。
今回は膝の下が痛い時に考えられる疾患を紹介します。
目次
膝蓋腱炎(ジャンパー膝)
膝蓋靭帯(しつがいじんたい)とは、膝のお皿である膝蓋骨と、すねの脛骨を結ぶ靭帯で、膝の曲げ伸ばしに伴い伸びたり戻ったりします。
その際の負荷が蓄積されることによって炎症が起き、痛みが生じた状態が「膝蓋腱炎」です。膝蓋腱炎は膝上がいたくなる大腿四頭筋腱炎と合わせ、ジャンパー膝とも言われることがあります。
バレーボールやバスケットボールなどの”ジャンプ”を繰り返すスポーツや、小さなジャンプ動作を繰り返すランニングを行った際に起こりやすいことが特徴です。10〜20代の男性に多いと言われています。
激しい運動を無理に続けると症状が悪化するため、安静にすることが必要です。
膝蓋靭帯炎(膝蓋腱炎)の原因と症状
なりやすい人・原因 | 起こる症状 |
□ バレーボールなど、ジャンプ動作を繰り返すスポーツをしている □ 陸上競技やサッカーなどのキック動作や走る動作を繰り返すスポーツをしている □ 10~20代 □ 男性 | □ 膝を曲げると膝のお皿の下に痛みが出る □ 運動中と運動後、膝のお皿の下に痛みが出る |
オスグッド・シュラッター病
オスグッド・シュラッター病は、膝蓋腱と脛骨の結節部(結ばれた部分)が剥離(はくり)する疾患です。激しい運動によって膝蓋靭帯から脛骨にかかる負荷が大きくなった結果、膝蓋靭帯が脛骨の軟骨ごと剥がれてしまうことによって起こります。
脛骨が軟骨から硬い骨へと成長している最中で、まだ大きな負荷に耐える準備ができていない10〜15歳の子供に多いと言われています。そのため「成長痛」と思われ放置されてしまうこともあります。
通常であれば成長とともに自然治癒することが多いですが、剥離した骨の影響で、大人になっても痛みが続くこともあります。
オスグッド病の原因と症状
なりやすい人・原因 | 起こる症状 |
□ 10~15歳の方 □ サッカーやバスケットボールなどで膝を伸ばす動きを繰り返し行う | □ 膝を曲げると膝下に痛みが出る □ 膝のお皿の下に痛みが出る □ 膝のお皿の下が硬く盛り上がる |
シンディングラーセン-ヨハンソン病
オスグッド・シュラッター病に似ていますが、膝蓋腱と膝蓋骨の結節部に剥離がおこる疾患をシンディングラーセン-ヨハンソン病といいます。
10〜12歳の男子に多く、膝蓋骨下端に限局する痛みや圧痛があるのが特徴です。
ランニング、ジャンプ、階段昇降、しゃがみ込みなどの時に症状は悪化します。
治療としては基本的にオスグッド・シュラッター病と同様に保存療法を主体として行います。