両膝がぶつかり、内側のくるぶしが付かない状態のことを、アルファベットのXの文字に見えることから「X脚」と呼びます。
今回は変形性膝関節症の原因となりやすいX脚(外反膝)についてお話したいと思います。
目次
X脚(外反膝)とは
X脚とは、両膝がぶつかり、内側のくるぶしが付かない状態(ニーイン・トゥーアウト)のことを指します。
真正面から見た時に「くの字」(内股)になってしまい、アルファベットのXの文字に見えることから「X脚」と言われています。
また、女性に多い事も特徴の1つです。
X脚(外反膝)の原因
原因として、個人の生体構造的な要素や筋力のバランスの問題、運動不足などが関与していると考えられています。また、怪我や関節の疾患によってもX脚(外反膝)が引き起こされることがあります。
以下に一般的な原因をいくつか挙げます。
幼少期の成長
幼児期には骨や筋肉が発育しており、脚の形状も変化します。そのため、一時的にX脚が現れることがありますが、成長に伴って正常な形状に戻ることが一般的です。
筋力バランスの異常
脚の内側の筋肉(内転筋)が弱く、外側の筋肉(外転筋)が優位に働くことで、膝が内側に曲がりやすくなります。
靭帯の異常
脚を支える靭帯が弛緩している場合、脚が内側に曲がりやすくなります。これは、靭帯の弛緩がX脚の原因となることがあります。
骨の異常
骨の形状や長さに異常がある場合、脚の曲がりやすさが増すことがあります。
疾患や病気
ラケット足など、関節や骨の発育に影響を与える特定の疾患や病気がある場合にもX脚が現れることがあります。
X脚(外反膝)の症状
X脚(外反膝)の症状には以下のような特徴があります。
膝の内側への曲がりが強い
立っている状態で膝が内側に曲がっている姿勢が見られます。正常な脚の形状では、膝は内側に向かって直線的な位置にありますが、外反膝の場合は膝が内側に曲がってしまいます。
変形性膝関節症
外反膝では、膝がX字型の形状をしています。これにより、膝の外側に負担が加わり、軟骨にダメージが蓄積され痛みが生じてしまいます。
変形性膝関節症変形性膝関節症は脚の筋力の低下や加齢などの要因によって、膝の軟骨がすり減ることで炎症がおき、膝に痛みを感じる病気です。
初期では歩き始める時に痛みを感じる、正座すると痛い、階段の上り下りが痛いなどの症状が現れます。症状が進行して、末期になると膝の変形が外から見てもわかるようになり、歩くことができなくなってしまいます。
膝の痛みを引き起こす代表的な疾患です。
詳しくは変形性膝関節症とは?の記事もご参照ください。
足首の内側への傾斜
外反膝によって、足首が内側に傾斜することがあります。立っている状態で足首を見ると、内側に向かって傾いているように見えます。
歩行時の特徴
外反膝の人は、歩行時に膝が内側に曲がるため、歩き方に特徴が現れます。歩く際に膝がこすれる感覚や不快感を感じることがあります。
膝の負担感や痛み
外反膝のため、膝に負担がかかりやすくなります。そのため、長時間立ち続けたり、歩行したりすると、膝の内側や周囲の筋肉に痛みや不快感を感じることがあります。
姿勢の変化
外反膝によって下半身のバランスが崩れ、姿勢が影響を受けることがあります。例えば、腰の前弯(前かがみ)姿勢や足の内旋(内側に向ける)姿勢が見られることがあります。
X脚(外反膝)が原因で現れる症状の治療方法
手術療法
重度のX脚(外反膝)場合、手術などが必要になることがあります。手術後は膝関節の機能回復を目的としたリハビリテーションが必要で、通常は数ヶ月以上かかります。
再生医療および、それに準じる治療
保存療法が効かない人は手術が一般的でしたが近年、膝を切らない治療「PRP-FD療法」、「脂肪幹細胞治療」が注目されております。このメリットは手術、入院不要という所です。
当院でも再生医療、およびそれに準じる治療を提供しています。
保存療法
主に、軽度のX脚(外反膝)の方は保存療法を行います。内容としては、歩行改善や膝関節周囲の筋力バランスの調整、トレーニングを行い膝関節を正常に整えます。
X脚(外反膝)の改善トレーニング方法
X脚(外反膝)の改善をするには特にお尻の筋力向上は必須となります。
簡単なトレーニング方法をお教えしますので是非お試しください!
X脚を改善するトレーニングの方法
1.うつ伏せになり、両膝を90度に曲げる
2.お腹にグッと力を入れ、おへそを少し浮かせます
3.お尻の筋肉を縮めるイメージで右脚の太ももを真上に持ち上げキープ
を10秒キープで1セットとし1日3回行います。
反対側も同じように行いましょう。
X脚を改善するトレーニングの注意点
腰を痛めないようにお腹の下にタオルなどをいれましょう。
最後に
今回はX脚(外反膝)の原因、症状についてお話させていただきました。
筋肉が硬くなった状態でトレーニングを行うと効果が半減されたり、むやみに過度なトレーニングを行うと痛みが強くなる可能性がありますのでご注意ください。
当院では膝専門のリハビリもご提供しておりますので一度お気軽にご相談ください。