今回は変形性膝関節症や足首の痛みの原因の1つ、回外足についてお話したいと思います。
目次
回外足とは
回外足とは、足の小趾側が外側に倒れ、足の裏が内側を向いている状態を指します。
この状態で足を着くと小趾側から足を着くため上手く地面からの衝撃を逃がせなくなり、体の軸がぶれてしまいます。
この影響で膝や股関節周囲に多大な影響を及ぼし「変形性膝関節症」の原因になってしまう可能性があります。
変形性膝関節症変形性膝関節症は脚の筋力の低下や加齢などの要因によって、膝の軟骨がすり減ることで炎症がおき、膝に痛みを感じる病気です。
初期では歩き始める時に痛みを感じる、正座すると痛い、階段の上り下りが痛いなどの症状が現れます。症状が進行して、末期になると膝の変形が外から見てもわかるようになり、歩くことができなくなってしまいます。
膝の痛みを引き起こす代表的な疾患です。
詳しくは変形性膝関節症とは?の記事もご参照ください。
このことから、足首は特に膝関節、股関節と密接な関係にあり、歩行時の際にとても重要な役割がありますので覚えておいてください。
回外足の原因
回外足の主な原因は、以下のような要素が関与していると考えられています。
オーバーユース(使いすぎ)
長時間のランニング、立ち仕事など土踏まずへのダメージが原因で起こりえます。
筋肉の萎縮
ふくらはぎ~足部についている筋肉が硬くなってしまうと回外足になってしまう原因となります。
脚の異常
足のアーチの変形(ハイアーチ)、変形性膝関節症など、足の異常が回外足の発症に関与する場合があります。
運動前のウォーミングアップやストレッチの不足
運動前の適切なウォーミングアップやストレッチ不足は、足首を痛める可能性があります。
回外足の症状
回外足の症状は、次のようなものがあります。
1.靴底の外側の減りが早い
2.脚を揃えて立つと両膝の間が開く
3.足が疲れやすい、筋肉の張りが強い
4.足首を捻挫しやすい
上記のような症状があると回外足の可能性がありますのでご注意ください。
回外足の治療方法
回外足は保存療法が一般的になります。
まず、インソールやストレッチ、テーピングなどを行い足の裏のアーチへの負担を減らします。
次に足の裏やふくらはぎのストレッチや筋力トレーニングを行い足への負担を軽減させます。
また、関節の調整など専門的な知識を持った方に治療して貰うことをお勧めします。
足の痛みが保存療法で引かない方には「再生医療」の選択肢もあります。
近年、膝を切らない治療「PRP-FD療法」、「脂肪幹細胞治療」が注目されており、このメリットは手術、入院不要という所です。
多くのスポーツ選手も取り入れており、簡単に痛みを和らげる事ができます。
回外足を改善するストレッチ
回外足の原因の1つ【後脛骨筋】のストレッチ方法をご紹介します。
ストレッチのやり方
1.足を前後に大きく広げて立ちます。
2.後ろの足のつま先を少し内側に向けます。
3.前の足の膝を曲げながら腰を前に押し出します。
4.1回10秒間キープを左右交互に3セット行ってみて下さい。
ストレッチのポイント
この時、後ろ足の膝をできるだけ曲げず、踵を地面から離さないようにします。
最後に
今回は回外足の原因、症状についてお話させていただきました。
筋肉が硬くなってしまった状態では怪我のリスクが上がってしまいますので、日々ストレッチを行いましょう。
また、当院では膝専門のリハビリもご提供しておりますので一度お気軽にご相談ください。