変形性膝関節症と診断された方の多くは、病院で運動療法を勧められたと思います。どのような治療方法を選択したとしても運動療法で根本的な原因の解決を図ることが重要だからです。さて、膝の運動といえばスクワットが思い浮かぶのではないでしょうか。
今回はスクワットについて解説します。
目次
変形性膝関節症の方は、スクワットは避けましょう
変形性膝関節症とは
変形性膝関節症変形性膝関節症は脚の筋力の低下や加齢などの要因によって、膝の軟骨がすり減ることで炎症がおき、膝に痛みを感じる病気です。
初期では歩き始める時に痛みを感じる、正座すると痛い、階段の上り下りが痛いなどの症状が現れます。症状が進行して、末期になると膝の変形が外から見てもわかるようになり、歩くことができなくなってしまいます。
膝の痛みを引き起こす代表的な疾患です。
詳しくは変形性膝関節症とは?の記事もご参照ください。
自己流スクワットは膝の負荷が高くなりやすい
スクワットは筋力アップには有効なトレーニングですが、膝に大きな負荷をかけます。健康な膝の人にとっても負荷が高くなりやすいトレーニングの一つです。
変形性膝関節症の人に適さない方法でスクワットを行うと、負荷が大きすぎて痛みを強く感じたり、より症状が悪化してしまうことがあります。
特に膝が内側に入っている状態でのスクワットや、膝を深く曲げすぎるスクワットは禁物です。
そのため、自己流のスクワットはおすすめできません。
一般的なスクワットの方法
一般的なスクワットを行う場合は次の手順に従いましょう。
- 膝とつま先が同じ方向を向くように揃えます
- 沈み込む時は膝がつま先よりも前に出ないようにします
- 弾みをつけずゆっくりと立ち上がりましょう
10回程度から始めましょう。また、強い痛みを感じたり、難しさを感じた場合は中止しましょう。
スクワット以外にも適切なトレーニングがあります
スクワット以外にも、より手頃なトレーニングがあります。スクワットに拘らず、ご自身にとって適切な運動を行いましょう。
30分程度の平地でのウォーキングやプールでの水中歩行など、より負荷が低く続けやすいものを選択することをお勧めします。
ウォーキングであっても正しい姿勢で歩くことが重要になります。
リハビリテーションの専門家から歩き方の評価をしてもらい、自分の歩き方の癖を知り、正しい歩き方に修正することをお勧めしています。
当院でも歩行指導を実施可能です。電話相談までまずはお電話ください。
変形性膝関節症におすすめの低負荷トレーニング
低負荷トレーニングのメリット
変形性膝関節症の方に運動は重要です。しかし、高負荷な運動をしてしまうと膝を悪化させてしまうことがあります。
低負荷トレーニングのメリットには、膝を悪化させづらい事、日常に簡単に行えること、継続しやすいことなどがあります。
一方、デメリットとしては意識して行わないと効果が出にくいこと、ある程度筋力があると負荷が足りないことが挙げられます。
強い痛みを感じにくい低負荷なトレーニングを持続的に行うことをお勧めします。
スクワットの他にも有効なトレーニングはたくさんあります。
変形性膝関節症に適した低負荷で行えるトレーニング方法
一つの例としてパテラセッティングを紹介した記事があるのでご覧ください。
パテラセッティングのやり方
①仰向けで膝を伸ばして寝る
②膝の下にタオルを入れる
③タオルを潰すように下に押し付ける(太ももの内側に力が入るように意識してください)
④呼吸を止めず5秒キープ(片脚10回ずつ行う)
運動療法の効果と注意点
運動療法の効果とメリット
運動療法は膝の軟骨のすり減りの原因になる筋力の低下を防ぐことができます。また、体重のコントロールにも寄与するため、根本的な原因を解決できる治療方法です。
運動療法の重要性については以下の記事でも解説しておりますので、合わせてご覧ください。
まとめ
ただ漠然と運動すれば良いというわけではなく、トレーニングやストレッチには目的があります。正しい方法で実施しないと効果を得られないばかりか、悪化させてしまうこともあります。
リハビリの専門家の指導を受けることで、正しい方法を正しい量で実施することができます。
当院でもリハビリを実施しておりますので、まずは無料の電話相談をご利用ください。