更年期の手首の痛みで悩んでいる方に向けて、痛みが発生している原因と対処法について解説します。更年期の手首の痛みは、さまざまな病気を生じているサインの可能性があるため、症状を軽視してご自身で判断してしまうことは非常に危険です。
更年期の手首の痛みで困っている方は、痛みの原因と対処法について理解し、先ずは整形外科の専門医を受診することをおすすめします。以下に更年期の手首の痛みについて詳細を解説しますので、症状が改善せずに悩んでいる方はぜひチェックしてみてください。
目次
更年期の手首の痛み
更年期には、使いすぎや加齢による退行性変化由来の関節痛だけでなく、女性ホルモンの分泌不良によって、手首の痛みやこわばりなどの症状が出現するケースもあります。よって、手首の痛みの原因が何であるのか、整形外科を受診して検査を受けることが非常に重要です。
更年期の関節痛が現れやすい原因や注意点について解説しますので、更年期の手首の痛みで悩んでいる方はしっかりとチェックしましょう。
更年期は関節の痛みが現れやすい
更年期では、エストロゲンといわれる女性ホルモンの分泌が低下し、手首の痛みやこわばりなどの症状が現れる場合があります。整形外科に関節痛で来院される更年期の女性の場合は、女性ホルモンの乱れが痛みに関与している可能性があるため、生活の負担による単純な関節炎であるとご自身で判断することは非常に危険です。
先ずは整形外科を受診し、症状に応じて画像診断、血液検査、整形外科検査など、詳細な検査を受けることをおすすめします。なお、ホルモン関連の検査は婦人科の方が詳しく行っていることが多いです。
放置すると悪化する疾患もあるので注意が必要
更年期の手首の痛みはさまざまな疾患の関与が考えられ、放置することで状態が悪化してしまう危険性があるため注意が必要です。それぞれの疾患に応じた治療を受けることが、症状の完治を目指すためには非常に重要となります。
症状が改善しない場合や、繰り返し発症するケースでは、早期に整形外科を受診し、専門医に相談するようにしてください。
更年期における手首の痛みの原因とは
更年期に発症する手首の痛みの原因としては、腱鞘炎、母指CM関節症、リウマチ性関節炎などが考えられます。先ずは、ご自身の手首の痛みの原因が何であるのかを確認することが重要です。それぞれの疾患について以下に解説しますので、ご自身の症状との関連性をチェックしてみてください。
腱鞘炎
腱鞘炎は、指から手首にかけて走行しながら指の曲げ伸ばしに作用する腱や、これを包む腱鞘に炎症を生じ、指から手首の痛みや腫れ、可動域制限などが出現した状態を指します。腱鞘炎には、親指を伸ばす腱に炎症が生じる「ドゥ・ケルバン病」や、指を曲げる腱に炎症を生じる「ばね指」などがあります。（注：ばね指で手首が痛くなることはほぼないです。
原因としては、日常生活での使いすぎだけでなく、更年期や妊娠期などのホルモンバランスの崩れが影響するケースもあります。
母指CM関節症
母指CM関節症は、加齢による退行性変化や日常生活上での親指の使いすぎ、女性ホルモンの分泌異常などによって発症する疾患です。母指CM関節は親指の付け根にある関節で、物を持つ際に行う指の握り動作など、日常生活で使用頻度が多い部位です。母指CM関節の軟骨がすり減ることで、痛みや腫れなどの炎症症状を生じ、親指を使用する日常生活動作に支障をきたします。なので実際は手首が痛いというよりは、親指の付け根が痛いと言って受診されるかたが多いです。
リウマチ性関節炎
リウマチ性関節炎は、免疫異常によって関節の滑膜などに痛みや腫れなどの炎症を生じる自己免疫疾患です。症状が進行したケースでは、関節の変形や破壊を生じ、さまざまな機能障害によって日常生活動作に支障をきたす場合があります。
レントゲンや超音波エコーなどの画像診断、血液検査などを行い総合的に診断します。
まとめ：整形外科や婦人科を受診しましょう
更年期による手首の痛みは、加齢による退行性変化や使いすぎによって発症するだけでなく、エストロゲンという女性ホルモンの分泌が低下することでも生じる可能性があります。更年期の手首の痛みは、さまざまな病気を発症している可能性があるため注意が必要です。
先ずは、整形外科で詳細な検査を受けることで、どの疾患が起因となっているのかを診断し、それぞれの疾患に応じた治療を行うことが重要となります。症状が改善せずに悩んでいる方や、繰り返し発症している方は、早期に整形外科を受診して専門医に相談するようにしてください。
