テニスを行っている際に、肘の外側に出現する痛みで悩んでいる方も多いのではないでしょうか?テニスで肘が痛い方は、テニス肘という上腕骨外側上顆炎を生じている可能性があります。テニス肘は、重症化する前に適切な治療を受けることで症状の緩和が期待できる疾患です。
今回は、テニスで肘が痛いことで悩んでいる方に向けて、テニス肘の原因と治療法について解説しますので、痛みで困っている方はぜひチェックしてみてください。
目次
テニス肘の原因とは
テニス肘は、テニス動作や日常生活動作において、手首や肘を使いすぎることで腕の筋肉に負担がかり発症します。テニス肘を生じる原因について詳細を解説しますので、痛みの原因が分かっていない方はしっかりと確認しましょう。
原因は手首や肘の使いすぎ
テニスで肘が痛いというテニス肘の原因としては、テニスの際にラケットを握る動作や、振る動作時に手首や肘を過度に使用し、手首を反る動作に関与する短橈側手根伸筋の腱に炎症を生じます。この短橈側手根伸筋は肘の外側部に付着していることから、テニス肘を発症した方は肘の外側部痛を訴えます。
テニスをしていなくてもテニス肘になることがある
テニス肘は、テニスをしていなくても発症することがあります。テニス肘の正式な疾患名は上腕骨外側上顆炎といいます。テニス動作による負担だけで発症するのではなく、手首を多く使用する家事や仕事の負担によっても発症する場合があります。重たい物を持つことが多い方や、パソコンを長時間使用する方などは注意が必要です。
日常生活の動作で肘の外側部が痛む方は、整形外科を受診して医師の診断を受けるようにしてください。
テニスのフォームに無理があるかも
テニス肘は、手首や肘の使いすぎによって発症する可能性がありますが、テニス経験の浅い方は無理なフォームとなっていることが考えられます。崩れたフォームや力任せの打ち方では、手首や肘に必要以上の負担がかかるため注意が必要です。
初心者の方でテニス肘の症状が出現している場合は、テニス教室などで体への負担とならない正しいフォームを学ぶようにしましょう。
テニス肘になりやすい人
テニス肘になりやすい人の特徴としては、正しいフォームが行えていない方だけでなく、体の柔軟性や筋力が低下している方も注意が必要です。特に体幹部から股関節、肩から手首にかけての柔軟性や筋力は、テニス動作を行うためには重要な機能です。
中高年の方や女性の場合は発症リスクが高いため、ストレッチや筋トレなどのセルフケアを習慣的に行うように心掛けてください。
テニス肘を解消するストレッチ
テニス肘を解消する効果が期待できるストレッチ方法をご紹介します。テニスで肘が痛い方だけでなく、日常生活動作が原因の症状にも効果的なストレッチとなるため、肘の外側部痛で悩んでいる方はぜひ試してみてください。
前腕伸筋群ストレッチ
1.手のひらを下にして肘を伸ばした状態で、痛みのある腕を肩の高さまで前方に持ち上げる
2.対側の手で手の甲を下方に押し下げ、肘から腕にかけての前腕伸筋群をストレッチする
3.筋肉の伸張を感じたところで、30秒×4セットほどストレッチを行う
※ストレッチの際には、無理に伸張しないように注意してください
テニス肘の治療法とは
テニス肘の治療法としては、保存療法と再生医療に準じる治療であるPRP-FD療法が適応となります。それぞれの治療法について解説しますので、テニスで肘が痛い場合の治療選択で困っている方は参考にしてください。
保存療法
テニス肘に対する保存療法としては、痛みを抑える薬物療法、症状の緩和や組織の治癒を促す物理療法、筋肉や関節の機能を高めるリハビリテーションなどが適応となります。テニスで肘が痛いことで悩んでいる方は、整形外科を受診してこれらの保存療法を早期に受けるように心掛けてください。
再生医療に準じる治療(PRP-FD)
再生医療に準じる治療であるPRP-FD療法とは、自分自身の血小板に含まれる活性の高い成長因子を活用した治療法です。組織の修復を早めることや、治りにくい組織の修復といった効果が期待できます。
テニスで肘が痛いことで悩んでいる方や、保存療法を行っても痛みが緩和しない方は、PRP-FD療法を受けることで症状を改善できる可能性があります。PRP-FD療法の詳細について知りたい方は、当院の無料電話相談までお問い合わせください。
重度のテニス肘の場合は受診を
テニス肘を放置していると、肘外側部の痛みが徐々に増し、腕まで痛みの範囲が広がる可能性があります。また、テニス動作だけでなく、日常生活上で単純な動作を行う際にも痛が出現し、多くの生活動作に支障をきたすケースもあるため注意が必要です。
このような重度のテニス肘へ進行した場合は、強い炎症症状だけでなく、二次的な筋力低下や関節の可動域制限が著明に出現する可能性があります。テニス肘に効果的な治療を早期に受け、二次的な症状の出現や重度の状態へ進行することを防ぐことが重要です。
肘外側部の痛みが増している方や、動作の制限が顕著に現れている重度の症状の方は、早期に整形外科を受診して専門医の診断を受けるようにしてください。