足首が痛いけど腫れてないし捻ってないとき、その痛みの原因は変形性足関節症かもしれません。MRIで正確に診断し、適切な治療を受けましょう!
足首の痛みの原因は?
足首の痛みは、多くの人が経験する一般的な症状です。捻挫や骨折などの明らかなケガがある場合は原因がはっきりしていますが、特に腫れたり捻ったりしていないのに痛みを感じる場合もあります。このようなケースでは、原因がわかりにくく、不安を感じることが多いでしょう。
この記事では、ケガをしていないのに足首が痛いときに疑われる病気について解説します。また、そのような痛みが続く場合にオススメする検査についても紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
目次
足首の痛みのおもな原因
足首に痛みが出るときのおもな原因は以下の5つ
捻挫(ねんざ)/靱帯損傷(じんたいそんしょう)
足首をひねったり、急に方向転換をした際に起こることが多いです。足首の靭帯が伸びたり、切れたりすることが原因です。
足関節果部骨折(あしかんせつかぶこっせつ)
強い衝撃や転倒などで足首に過剰な負荷がかかり引き起こされます。強い衝撃が加わっているため、骨折のみではなく、他の筋肉や靭帯・神経などに損傷を伴う場合もあります。
変形性足関節症(へんけいせいあしかんせつしょう)
頻繁に捻挫を繰り返していた人や、足首を骨折したことのある人に多く見られる疾患です。また、関節炎や細菌感染などが原因となる場合もあり、明確な原因に心当たりがなくとも発症している場合もあります。
アキレス腱炎(けんえん)
アキレス腱に過度に負担がかかり、炎症が引き起こされる疾患です。ランニングやジャンプを多く行うスポーツ選手に多く見られます。
痛風(つうふう)
足の親指の付け根に痛みを感じることが多いですが、足首の関節部分にも痛みを発することがあります。健康診断の結果で尿酸値が高いことを指摘される場合、注意が必要です。
このように、足首に痛みがでる原因はさまざまです。ケガだけでなく日常の動作やスポーツ、加齢による影響などが考えられます。
捻挫や骨折がない場合
上記5つの原因のうち、捻挫や骨折などのケガをしていない場合でも、以下の3つの原因で痛みが発生することがあります。
- 変形性足関節症
- アキレス腱炎
- 痛風
特に「変形性足関節症」と「痛風」は、適切な治療を受けずに放置すると症状が進行し、より深刻な状態になることがあります。明らかな外傷がないにもかかわらず痛みが続く場合は、整形外科を受診しましょう。
変形性足関節症
変形性足関節症は、足首の関節が変形し、痛みや機能障害を引き起こす疾患です。原因や症状について以下に詳しく解説します。
変形性足関節症とは
変形性足関節症は、脛骨と距骨の間にある軟骨がすり減ることで起こる疾患です。関節にある軟骨が摩耗すると、骨同士が直接こすれ合い、痛みや炎症が生じます。
この疾患は以下のように分類されます。
一次性変形性足関節症
明確な原因が特定できない場合で、慢性的な関節の不安定性が背景にあることが多いです。両足に発生し、女性に多く見られます。
二次性変形性足関節症
外傷や他の疾患により発症する場合です。
変形性足関節症のおもな症状
変形性足関節症の症状は、進行具合によって異なりますが、一般的には以下のようなものがあります。
症状 | 特徴 |
足首の痛み | 歩行時や運動時に痛みを感じることが多い |
腫れ | 関節周囲に炎症が生じると、腫れが見られることがある |
可動域の制限 | 関節の変形によって、足首の動きが制限されることがある |
動作時に礫音 | 進行すると、足首の動作時に「ゴリゴリ」と音がすることがある |
初期の症状では、歩き始めるときに痛みを感じることが多く、進行すると常に痛みを感じるようになることもあります。
変形性足関節症は放っておいても治らない
変形性足関節症は、自然に治ることはほとんどありません。放置すると症状が悪化し、日常生活に支障をきたす可能性が高くなります。
早期に適切な治療を受けることで、症状の進行を抑え、生活の質を維持することが可能です。そのため、痛みを感じたら早めに医師の診察を受けることが重要になります。
MRI診断で足首の痛みの原因を特定しましょう
足首の痛みの原因を正確に特定するためには、適切な診断が欠かせません。その中でもMRI検査は、詳細な情報を提供するために非常に有効です。
ここでは、MRI検査の必要性とその流れについて解説します。
MRI検査が必要な理由
MRI検査は、足首の痛みの原因を特定するために重要な手段です。以下の理由から、MRI検査が検討されます。
詳細な画像
MRI検査は骨の形状だけでなく、骨髄、軟骨、靭帯、腱、筋肉などの軟部組織や内部組織の異常を詳細に映し出すことができます。これにより、変形性足関節症・腱の損傷・炎症の状態など、痛みの原因の特定が可能です。
早期発見
早期の段階でも異常を発見できるため、早期治療を開始できます。
非侵襲的
MRI検査は放射線を使用しないため、体に対する害はほとんどなく、安全な検査です。
レントゲンとの違い
MRI検査とレントゲン撮影との違いを、メリットとデメリットの観点で表にまとめました。
メリット | デメリット |
軟部組織や神経、血管などを画像化できる | 検査時間が長い(約20〜) |
多方向からの画像が得られる | 狭い空間に入る必要がある |
放射線を使用しないため被ばくがない | 体内に金属やペースメーカーなどの人工物がある方は検査できない |
MRI診断の流れ
MRI検査を受けてから診断までの一般的な流れは以下のとおりです。
予約と準備
事前に診察を行い、検査の予約を行います。
検査前に金属製品やアクセサリーは外してください。電子機器や磁気カードも故障の原因になるため、必ず持ち込まないようにしましょう。
必要に応じて、検査着に着替えるため、検査に適した服装でご来院してください。
問診と説明
技師からMRI検査の手順について説明を受けます。過去の病歴や金属製のインプラントの有無などについて問診があります。
検査の準備
検査着に着替えます。MRI室に入る前に、金属製の物品はすべて外す必要があります。検査技師が体の位置を調整し、足首の部分が装置の中央にくるようにセットします。検査中は動かないことが重要なため、バンドなどで固定する場合があります。
検査の実施
検査中は機械が大きな音を出すため、耳栓やヘッドホンを装着することがあります。動きに弱い検査のため、検査中はリラックスして動かないようにしてください。
検査時間は、通常で約20分〜かかります。
検査終了
検査技師が合図するまで、装置から降りずにお待ちください。身支度を終えたら、待合室で少しお待ちいただく場合があります。
結果の説明
MRI画像は医師が読影し、結果を報告書にまとめます。通常、数日以内に結果が出ますので、次回の診察で詳しくご説明いたします。
MRI検査は安全な検査で、痛みもありません。不明点があれば、いつでもご相談ください。
まとめ:自己診断に頼らず、まずは整形外科を受診しましょう
足首の痛みは、捻挫や骨折だけでなく、変形性足関節症などの慢性的な疾患が原因となることがあります。自己診断で放置すると、症状が悪化し、日常生活に支障をきたす可能性があります。早期に整形外科を受診し、適切な診断と治療を受けることが重要です。
特に、MRI検査は詳細な診断が可能で、治療方針の決定に大いに役立ちます。足首の痛みが続く場合は、自己判断に頼らず整形外科専門医に相談し、早めの対処を心がけましょう。